もし解雇を言い渡されたら・・・心構えと対処法

以前、私はとある小さな社会保険労務士事務所にパートで勤めていました。
勤めていた、といってもたったの2か月でクビになったのでそう思い入れもないはずなんですが、やはり解雇という経験がそれまでになかっただけに今でも時々もやもやと思い出すことがあります。
この時、私がどうしてこうなっちゃったのか、どう行動したかなど、書き記そうと思うので、もしもの時にちょっとでも参考になれば嬉しいです。

その事務所には私と同年代の先生と、その奥様が運営し、スタッフの女性が私の他に二名おり、みな20代~30代で和気あいあいとした雰囲気でした。
私はスタッフの補助的な事務を担当していたのですが、PC処理も手書きの書類も膨大にあって、専門的な内容だけに必死でこなさなければなりませんでした。
それでも、出産後、久しぶりの仕事(前職も事務)だったので、毎日充実した時間を過ごしていました。

けれど入社して二か月目が終わろうとしていたある日、先生に突然「ちょっといいですか」と淡々とした口調で呼ばれ、ミーティングルームに入ると「事務所を移転する事になったんですが、移転先の家賃が高額でこのままあなたを採用し続けるのは難しい」と突然告げられました。

私は頭が真っ白のまま、先生は続けて「試用期間があと一か月残っていますがあなたはこんな状態で勤めたくはないでしょう?もう今月いっぱいで退社されてもいいですよ。残り一ヶ月分の給料は出しますから」と。

晴天の霹靂とはこのことで、私は早く返事をしないといけないのに何て言ったらいいか分からず「わかりました。でも事務所がひっ迫しているなら残りの一か月のお給料はいりません」と口走っていました。
私もそのまま働き辛いので、もう月末ということもあって即日解雇となりました。

先生は黙ったままでしたが、今思えば「ラッキー♪」と心の中で思っていたのかもしれません。

というのも数日後「退職合意書」なるものが送られてきて、その内容の中に
お互い、債権、債務はない」と強調して書かれていたのでちょっと変だなと思って調べると、会社都合で解雇を言い渡す場合、30日前に解雇を告げるか、30日分以上の「解雇予告手当」を支払う義務があるんです。
これは労働基準法第20条に定められています。

それを社労士が知らないわけありませんよね・・・。
私の「不労の一か月分の給与はいらない」と言った証拠をつかんでおきたいと思ったのか、非常に情けなくなりました。
そこで私は労働基準監督署などに相談したところ、やはりその手当は発生するとのことだったので、「退職勧奨手当通知書」なるものを作成し、「この解雇は無効である可能性が高い状態であるにも関わらず、こちらの無知を利用し、解雇予告手当さえも支払わないのは明らかな法律違反である」と訴えました。

「無効である可能性が高い」という理由は、解雇というものは試用期間であってもむやみにできないものなんです。

それに加え、私の場合は「特に落ち度のない労働者を辞めさせる場合」の「整理解雇」というものに当たり、下記の4要件をひとつでも満たしていない場合は無効とされています。

  • 1、人員整理の必要性
    人員削減措置の実施が不況、経営不振などによる企業経営上の十分な必要性に基づいていること

    2、解雇回避努力
    配置転換、希望退職者の募集など他の手段によって解雇回避のために努力したこと

    3、人選の合理性整理
    解雇の対象者を決める基準が客観的、合理的で、その運用も公正であること

    4、解雇手続の妥当性

    労働組合または労働者に対して、解雇の必要性とその時期、規模・方法について納得を得るために説明を行うこと

 出典:厚生労働省ホームページ

どれも微妙でデリケートな内容なので、当てはまるかどうか判断に悩むかもしれませんが、その理由は具体的かつ合理的なものでないと認められませんので、「悩む」という時点で解雇の理由に当てはまらないケースが多いと思います。
判断に迷う場合はお近くの「労働基準監督署」へ問い合わせをお勧めします。

その後「退職勧奨手当通知書」を送って間もなく、本来支払われるべき解雇予告手当は振り込まれました。

ここまで「解雇されたくなかった」のように書いてきましたが、この経験で学んだ事は、もし解雇を言い渡された時、それが不当であると感じてももうその会社に残ろうと思ってはいけないという事です。

単に居づらくなるだけでなく、待遇が悪くなって、結局自分から辞職願を出す事になりかねませんし、そうなったら当然解雇予告手当も出ませんし、失業手当もすぐには支払ってもらえません。

最初はショックでしたが、「言ってくれてよかった」とも思えるようになってきました。そうでなければいつまでも不必要だと思われながら働いていた事になりますからお互いマイナスですよね。

その後、前職と同じ業種の事務として採用され、結果、運よくこの事務所よりかなり良い待遇で働く事ができました。捨てる神あれば拾う神ありです。だからもしあなたが会社を解雇されてしまったとしても大丈夫!
そこは自分の働く場所じゃなかっただけなんです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

2 × 4 =

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください